「能登之國百年之計」の聞き手をしていて、皆さんのお話に共通することがあります。
それは、「観光人口から関係人口に、関係人口から居住人口に」ということです。
観光人口は短期的な関わりの人、関係人口は中長期的な関わりで、その地には住んでいないけれど継続的に興味を持ってくださる人のことです。
いろんな方からのお話を聞く中で、復興は、観光人口→関係人口→居住人口への移行の矢印を、短く・太くすることがカギになるのではないかと感じます。
地震があり、復興するまでは居住人口を増やすことは難しい。
けれど、能登がニュースで取り上げられる機会は多く、地震がきっかけで能登を知り、興味を持ってくれた方もいると思います。
また、金沢は以前から人気の観光スポットで、いわゆる観光人口が多い場所です。
なので、観光人口を関係人口に移行させることは比較的実現が可能な気がします。
ですが、ここで能登ならではの障壁があることもお話を聞きながら感じました。
能登は、昔から人と人とのつながりが強い地域です。持ちつ持たれつで生活を営んでいるため、縦横のつながりが比較的強いのが地域性です。
言い換えるなら、集団凝固性がめちゃくちゃ高い地域だと感じます。
今までの生活なら、集団凝固性が高くても困りませんでした。なんなら、良いことの方が多かった。
ですが復興となると、この地域の強みであった「集団凝固性の強さ」が危険性を孕んでいると感じました。
能登に関わりたいと思ってくださる方はたくさんいるのに、変化を恐れたり、帰属意識が高すぎることで、外から来てくださる方の受け入れ方があまり良くないこともあるのです。
外からの力を受け入れさえすれば変わっていけるのに、受け入れることを躊躇うこともあるように感じます。
おそらく、心を開けば関係人口が増えます。
ですが、これまでの地域性として、変化を嫌う傾向がかなり高いように思います。
人にはたくさん来てほしいけれど、変化はしたくない。
このジレンマが、復興の妨げになりえます。
どうか、今こそ心を開いて、長く能登に関わってくださる方と繋がりましょう。
関係人口が増えれば増えるほど、能登にとっては良いことが多いです。
復興を願っているのは、みんな同じです。
一緒に踏ん張りましょう。