西野さんの講演会②

・「子どもはだんだんと人間になるのではなく、すでに人間である」

体罰や虐待が減らないのは、根強い職人の「半人前」思想や、知識・技能・体力が足りない「未熟者」という考えが根付いているからだというお話がありました。

 

・遊びと暮らしの主体を取り戻す 消費者から生産者になる

家にはゲームのカセットがあります。いつしか、遊びは作るものではなく与えられるものへと変わってしまいました。泥遊び、つみき、お絵描き。そんな、生産者としての遊びは消えつつあります。主体を取り戻すことで、自信もつき、「やってみたい」も増えるというお話は興味深かったです。

 

・居たいように居られる場

指導や「支援臭」から若者は遠ざかる。弱さをさらけ出せる、無駄話ができる場が大切。支援のための目標などはなく、居たいように居られる場がどれだけ大切か。ほっと安心できる居場所づくり。「何もしない」ことが咎められない、むしろ保証される場所を作る。

 

・「ながら」相談はハードルが低い

お茶を飲みながら、遊びながら、そんな「ながら」相談がいいそうです。西野さん曰く、子ども人気が高いのは散歩しながらの散歩。

確かに、私もマンツーマンでの相談は苦手でした。

これから相談ができるように2人きりにしましたよという無言の圧。先生と私以外誰も居ない空間というのが、逆に緊張を煽っていました。こんなに静かな相談室だったら、廊下にいる友だちに話し声が聞こえちゃうよ、と心配することもありました。相手の顔を見てしまうと泣きそうになることもありました。その点、ながら相談だと、相談がメインになっていない感じが出せる。あくまでもメインは散歩と言える。おまけ感が、逆にいいんだろうなと感じました。

 

・地域における居場所の創造

コロナ禍で学校が休校措置をとったとき、親の心配は「子どもたちの勉強が遅れないか」よりも、「子どもたちのお昼ご飯はどうしよう?」といったものだったそうです。要するに、学校には託児機能が求められていることが分かりました。

地域の中に託児機能を持った「居場所」を作ること。これが、地域の人とのつながりを作るために、子どもたちがとても有効ではないか?とのお話でした。興味津々です。

 

 

お話の中には、書ききれないほど大切なお言葉がたくさんありました。

・子どもにとって遊ぶとは、生きることそのもの

・遊びは、非認知能力を高める

・安心して失敗できる環境づくりが重要

・いつでもどこでも誰でも学べる、学校教育以外での学習権の保障

・「やりたい」ことより、「やらねばならない」ことが優先されている社会

・「やってみたい」をやれる場所は自己有用感にもつながる

・正しさだけでは人は育たない。弱さに寄り添うことも大切。

・大人たちの不安が子どもを追いつめる

まずは、大人たちの不安を取り除くことが重要。親をはじめとする身近な大人が味方だと思えれば、救われる。

・「生きている」ただそれだけで祝福される。そんなつながりを取り戻す。

・学力って何ですか?→出会いをものにする力だよ。

・居場所の中で、「こんな自分でいいんだ」と充電することができる

・「学校不適応児」ではなく、「子どもに適応できない学校教育」が課題

・暇そうにしていないと、子どもは寄ってこない。

・「めんどうくさい」を手放さない。関わり続ける覚悟を持つ。

・「大丈夫」の種をまく

・自立は孤立ではない。助けてと言えること。

・大人が幸せでないと、子どもは幸せになれない。

 

子どもの幸せは、学校の中だけを見ていても叶えられるものではないと知りました。

子どもたちを取り巻く環境、家庭や地域をも巻き込んで変えていくこと(変わっていくこと)が求められるのだと感じました。

つながりの大切さを改めて感じました。

たくさん学びたいことが出てきました。

やりたいことも出てきました。

 

 

講演をしてくださった西野博之さん、運営をしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。